『奇妙なアメリカー神と正義のミュージアム』をよんで。
ミュージアムで何がどう展示されているか?から、そのミュージアムの主張が見える。
先日広島の平和記念資料館の被爆再現人形が撤去されたとき、
その意図は何だろうか、アメリカへの配慮か?アメリカ人はどんな気持ちで展示を見ているのだろうか?と考えていた。
そういえば、アメリカには核を称賛するミュージアムがあると聞いたことがある。
どのような施設なのだろうか、気になった。
すぐに直接訪れることはできないが、1冊の本に出会った。
『奇妙なアメリカー神と正義のミュージアム』・・矢口祐人
という本だ。
もしかしたら今のアメリカの心の一部が見えてくるかもしれない。
そんな思いで読み進めた。
核のミュージアムだけでなく、進化論を否定するミュージアム、罪と罰のミュージアムなどアメリカの個性的なミュージアムが続々と登場する。
ただおもしろおかしく書き連ねているのではない。
どんなモノがどう展示されているかや訪問者の様子を冷静に観察し、
様々な視点に立ってどんな主張があるのかや訪問者に与える影響などを考察しているのがおもしろい。
核のミュージアムには「核のボタンを押してみよう」という体験装置もあるそうだ。
日本人の心理からすると信じがたい体験だ。ここは北朝鮮ではなくアメリカなんだけれど、なんだかノリが同じではないか?やはりアメリカも北朝鮮も核を称賛している点では変わらないのではと感じた。
私が意外と感じたのは、核のミュージアムや日本のパールハーバー攻撃のミュージアムについいて、プロパガンダ的にアメリカが断然正しい!アメリカファースト!のような主張だけが全面に押し出されているのかと思っていたが、そうではないようだということ。もちろんそのような主張はあるものの、他の立場に配慮したり、冷静な視点で展示されていた。パールハーバーの施設では同盟国である日本の立場も十分に展示されていると。
ただ、隠したい真実は巧妙に隠されている。ハワイ先住民の立場の展示はほぼない。
”ハワイの先住民は「無実のアメリカが突然卑劣な的に攻撃された」とは考えない。アメリカは背後からきた暴漢に襲われたかもしれないが、そのアメリカ自身も(ハワイの先住民からハワイ王国を奪った)実は盗人なのである。”()内は私が追加。
アメリカのミュージアム同様、日本のミュージアムについてもどんな主張がしたいのか?という視点で見るとさらにおもしろいかもしれない。
法律を「知っている」ことは力になる。
「道徳教育する前に法律教育を。」
「日本人は法律を知らなすぎることに問題がある。知らないがゆえに官僚と警察のいいようにあしらわれ、守れないようないい加減な法律が次々とつくられている。」
と、和田秀樹さんは著書『この国の冷たさの正体』で主張している。
交渉の際に「知っている」方が圧倒的に有利になり、「知らない」方が圧倒的に不利になる。
交渉は生きている限り、様々な場面で登場する。子供の頃からずっと。友人、先生、店、会社・・
法律を知っていることが人生を救うこともあるだろう。
このようにいう私は法律の専門家でも何でもないので法律は詳しくない。
でも、法律の教育が必要だという主張には同感だ。法律の専門家だけのものにしておくものではないと思う。
法律はどんなに難解であっても、私たちの生活や人生に深く関わっているものであり、人生を左右しうるものであるから、「興味ありません」というわけにはいかない。
法律の教育を増やすことで、
人々が自身を守ることや
法律に対する関心を高めることにつなげることができる。
つまり、法律の教育は『力』となる。
官僚の上げてくる法案に対して、
受け身で言われるがままになるのではなく、
監視の目を持って見つめることができるのではないだろうか?
例えば、
「共謀罪?」
「何それ?(自分には関係ないね)」
ではなく、
「どんな法律?」
という反応になるのではないだろうか?
和田秀樹さんの本を読んで書いた記事↓
専業主婦は活躍しているとはいえない?
安倍政権は『一億総活躍社会』(戦前の『一億総動員』みたいでキモチワルイ)を掲げているけれど、
この『活躍』には外での労働のほか、家事労働での活躍も指すのだろうか?
これは外の労働での活躍のみを指しているそうだ。
専業主婦のこれまでの家事労働での活躍は『活躍』とは認められないということ。
私から見れば、外で労働する女性も専業主婦もどちらも『活躍』しているのは間違いないのに、
なぜ、専業主婦の活躍は認めてもらえないのだろう?
専業主婦の家事労働には金銭が発生しない。(この状況を『逃げ恥』では『愛情の搾取』といっていた)
だから、労働ではないとか、楽だと考える人も少なくないけれど、
外注したらそれは労働と呼ばれ、その内容や拘束時間からみて、大した金額になる。
家事労働は立派な労働なのだ。
今、安倍政権によって女性の活躍の仕方を選ぶ権利が奪われている。
「活躍の仕方を選ぶ権利が奪われる」ということは「生き方を選ぶ権利を奪われる」ことだともいえる。
自分に合った活躍の仕方、生き方があるし、家庭の事情もある。
外で労働しないのはダメという価値観を押しつけては、
家で十分に育児をしたいという人や親の介護で働けない人が後ろめたさを感じなくてはならなくなるだろう。(ちなみに安倍政権は憲法改正案で「家族の問題は家族だけで解決するように」といっている。「外で労働しないとダメ」と「家族だけで解決」の両立は不可能。)
何よりも怖いのは『一億総活躍』が『一億総動員』になる日だが・・
参考↓
住む場所で運命が変わる。
速水健朗さんの『東京どこに住む?』を読んだ。
この本に
”エンリコ・モレッティは著書『年収は「住むところ」で決まる』で「移住には投資と似た面がある」という。都市で暮らすということが、自分を成長させる機会になる。または、いい仕事に巡り会う機会の確立を高くすることになるということだ。”
とある。
つまり、
都市に住むことはコストがかかるが、
それに見合ったあるいはそれ以上の
成長の機会や出会いという果実を得られることがある。
まさにその通りだと感じたことがある。
知人はこどもの公立小学校の学区のために千代田区に引越しをした。
知人のお子さんなのでもともと頭は良かったのだろうけれど、トップ中学に見事合格した。
ここまでは想定通りだったのだろう。
さらに、予期せず知人自身にも果実が。
知人と同じようなレベルの保護者が多く集まっていて、一緒に仕事をすることになったそうだ。
出会いの効能について
少し私自身の話をすると、
私はごく普通の公立中学校に通っていたが、
奇跡的にいい進学校に進むことができた。
今思い返すと、とても恵まれた環境にあったからだ。
当時は自分の力だけで進めたと思っていたけれど…(-_-)
中学生のとき私は今で言うSAPIXみたいな塾に通っていた。その塾の全国テストで毎回トップ、調子悪くても三位内に入る子がいた。
奇跡なのはなんとその子が同じ中学校に通っていたこと。
私からみればすごすぎて神のような存在。当然向こうからみたら私なんて全く相手にならない。だけど、塾のクラスも一緒だし、帰る方向も一緒だしで、なんだかんだ一緒にいることもあった。決して仲良しではなかったけど。
結果的に奇跡的にその子と同じ高校に進学できたのだ。そして、その高校に通えたことはその後の私の人生にいい影響を与えてくれた。
その子の存在がなかったらまず無理だったなと今だから思う。
私のような偶然の出会いはなかなか難しいかもしれない。
自分を高めてくれるライバルや仲間に出会えるよう自ら環境を整えること、住む場所を考えることは重要だと感じる。
こどもに非寛容な社会-少子高齢化から考える。
外国人から見た日本人についての記録では、少なくとも江戸時代から戦前までは日本では子供が非常に大事にされていたようだ。内でも外でも。神聖な存在として。町中に子供の笑い声があふれていたと。当時の外国人はその様子に楽園をみたと感激している。(外国人から見た日本史より)
現代の日本ではどうだろう?
高齢化した大人が子供の声が大きくてうるさいからと保育園や公園の建設を堂々と拒否する、
そしてそれが何の疑問もなくまかり通る社会。
本当に声が大きいのは誰でしょう?(答えは文中にあり)
明らかに子供に非寛容な社会となっている。
社会で子供を「大事にする」というあの美しき日本の文化はなぜ失われ、
真逆の「大事にしない」という方向に進み続けているのか?
*戦後の民主化で社会に平等や競争がもたらされたから?
*家長制度が崩れ、核家族化したから?
*少子高齢化のせい?
どれも関係しているかもしれないが、以前に比べて非寛容が進んでいることを考えると、少子高齢化の進行が最も影響を与えているのではないかと思う。
少子高齢化により、民主主義の弱点が強調されてしまう。
少数派で有権者でもないこどもの声はあまりに小さくて政治には届かない。
一方、多数派で有権者である大人の声はとても大きくて政治にしっかりと届く。
つまりこどもたちは未来を担う存在でありながら、選挙権をもたないだけでなく、少数派だ。
高齢者を主とした有権者は多数派で未来に責任をもたずとも、未来を決定する力をもつ。
選ばれる議員も高齢化し、責任は持たないが、力は振りかざす者(わかりやすい例では石原さんのような方)ばかり。類は友を呼ぶ?
本来、責任と力は一致するもの。だから信頼が生まれる。
高齢化した大人による、子供を含めた若者たちへの想像力が欠けてしまっている今、高齢化した議員ばかりに任せておけない。1つの案として若者議員枠または子育て世代枠を設け、確実に若者や子育て世代の声を届けるというものはどうだろうか?若者の投票率もupするかも!?(自然に任せておくと選挙費用が高く、若者には立候補が難しく、候補者となっても高齢化した有権者はやっぱり高齢化した議員を選ぶという結果になる。)
ただ、これを決めるのは高齢化した議員たちだから自分で自分の飯のタネを失うような決定はしないだろうな。。どうしたものか。
子供に対する非寛容は少子高齢化をさらに進行させる一因となってもいる。
少子高齢化は高齢者を支える若者たちが少ないという物理的な側面がよく強調されるが、
国力である若者の声が大事にされず、届かないということがもっと問題だ。
単に労働力としての若者が減るだけでなく、この国の未来を真剣に考える存在としての若者が減るということが国としての弱体化を招く。
少子高齢化という危機はリーマンショックのように肌で感じられるものではないが、
じわじわと確実に国力を低下させている。
この流れを変える希望となるのは数が確保された若者議員だ。
それとも移民に希望を託すか?同じく少子高齢化したドイツのように。
この本を読んで考えたことを記事にしました。↓
グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書)
- 作者: エマニュエル・トッド
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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言葉による思考停止
言葉の力はおそろしい。
ある物事について言葉で表現された時、人々は表現されたことに安堵し、理解し得たと錯覚し、その物事についての思考を停止してしまう。
その言葉が核心を得ていない、本質を表していないとしても。
例えば、「戦争は悪い」という言葉。
この言葉に思考は停止し、もちろん議論されることもなく、戦争について深く掘り下げられることがない。
だから、心にも残らなくなっている。
この「戦争は悪い」という言葉は思考停止という魔力はもつが、残念ながら戦争そのものの抑止力を持っているとは思えない。
思考停止させてしまうとしても、その言葉が対象となる物事の目的を達成するならまだしも。
この記事はこの本↓を読んで感じたことです。読みやすいし、おもしろかった。
- 作者: 高橋 源一郎
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トランプ政権はなぜ支持されるか?『ポピュリズムとは何か?』から考える
今、トランプ政権を始め、民主化先進国と言える欧米でポピュリズムが広がりを見せている。
トランプ氏が支持されているのは、
格差拡大のせいなんだろうけど、
わかるようでわからない。
差別発言をしたり、入国禁止令を出したり、とても民主的とは言えない。
アメリカの民主主義や自由は失われてしまうの?
この状況を理解するにはポピュリズムの理解が必要だ。
そもそもポピュリズムってなんぞや?
これもわかっているようで、
わからない。
ということで、
『ポピュリズムとは何か?』ー水島治郎
という本を手にとった。
ポピュリズムの持つその排外的な姿勢から、私はポピュリズムは民主主義の敵だと思っていた。
しかし、ポピュリズムの特徴を知ると、むしろ民主的だと感じた。
ポピュリズムの4つの特徴
①「普通の人々」には「健全な人間理解」が備わっており、腐敗したエリート層の発想に勝る。その「健全な人間理解」を「ストレートに政治に反映させ」る。この「普通の人々」は一体的で、民意や特徴が同質であることを前提としているため、排外的な発想につながる。
②政治、経済、社会、文化において一握りの人々が支配を固めていることを前提とし、人民の「健全な意思」を無視する「腐敗したエリート」の支配を批判する。
③既成の政治に「民衆の声」をぶつけるカリスマリーダーがいる。
④具体的なイディオロギーがない。
核心部分は①②で
”政府を人民の手に戻す。なぜなら、政府はまさにその「普通の人々」に由来する存在だから。”
というのがポピュリズムだ。
これを見るとポピュリズムに共感すら覚える。
ポピュリズムの効果
ポピュリズムの出現で
危機感を感じた既成政治の改革を促したり、
人々が政治に関心を持つようになったり
よい効果もあるようだ。
ポピュリズムの起源は?
ポピュリズムの起源は19世紀末のアメリカにあるという。格差拡大を背景に人民に依拠してエリート支配を批判する運動が起こった。これがポピュリズムと呼ばれるようになった。そもそもは人民の「解放」とか「救済」志向のあるもの。
ただどうしても腑に落ちないのがなぜポピュリズムが移民排斥とつながるのか?という点。
2つのポピュリズム
実は現代のポピュリズムは2つのタイプがあるという。
①労働者や貧困者がエリートを批判すべき特権層とみなし、圧倒的な格差社会で政治に適正な分配を求めるもの。
②再分配で保護された生活保護受給者や難民、移民を批判すべき特権層とみなし、排除しよう、引きずり下ろそうとするもの。
欧米のポピュリズムはこの②に当たる。
格差拡大を背景としてトランプ政権による入国規制は支持(49%)が不支持(41%)を上まっているというのもうなづける。
日本でも格差拡大を背景にここ数年、在日の人に対するヘイトスピーチやより弱い立場にある沖縄や福島の人に対するイジメが増えている。人は自分が絶対的優位にいて、自分の立場が脅かされないときには悪口を言ったり、排除しようとしたりしないもの。日本にもポピュリズムは広がりつつあるのかもしれない。
トランプ氏の登場やヨーロッパでのポピュリズムの広がりは人ごとではないと感じた。
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)
- 作者: 水島治郎
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トランプ大統領の米入国規制への反発について日本の場合はどうか?を考えてみた。
↓
ひらめかない!そんなときは‥
なぁんにも感じない
なぁんにもひらめかない
滞ってる
そんなときは、刺激を受けようと
ムリに本読んだり人とあったりしないで
そのままぼーってしたり
散歩したりしてれば
そのうち自然にぽわっ ぽわっとでてくる。
とはいえ、こんな迷いもあります↓
怒りを感じてもいいんだよ。ー「普通がいい」という病
『「普通がいい」という病』ー泉谷閑示
という本を読んだ。
「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)
- 作者: 泉谷閑示
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/21
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精神科医の先生が書いた本で、
はじめだけ読んで精神疾患の話かと思って中断していた本だ。
しばらくぶりに読みすすめてみると精神疾患の専門的な内容というよりは誰にでも通ずる哲学的な内容だった。
「怒り」に対する見方が変わった。
「怒り」は大切な感情だと知って腑に落ちると同時に気が楽になった。
時々ふとした瞬間に過去の出来事に対する「怒り」がこみあげてくることがある。
「怒り」の感情を抱いている自分に自己嫌悪を感じて、あわてて「怒り」にふたをする。
だけど「怒り」は感じてもいいんだ。
ふたをしたりせずに、ノートでもなんでもいいから「怒り」を吐き出しちゃえ。
「怒り」の向こうにありのままの自分の心があるから。
人生に悩んだときに役立つ本ー「超訳ニーチェ」「独学術」
あなたにはあなたの支えとなった本はありますか?
私にはあります。
人生の岐路において出逢い、
私に発想の転換を促し、
私の支となった一冊です。
わかりやすい言葉に訳され、
心にスッと入ってきました。
わかりやすいといっても、
よくある自己啓発書にあるような軽い言葉が使われているというわけではありません。
ゆるふわの優しい癒しの言葉が並んでいるわけでもありません。
硬直した思考を、
「こういう考え方もある」
と鋭く指摘することで解きほぐしていきます。
一番役に立っている言葉は
疲れたと感じたら、考えない、思わない
いつものように毅然としていられなくなったら、疲れている証拠だ。疲れていると、わたしたちはため息をつき、愚痴を口にし、後悔を口にし、ぐるぐると似たようなことを考え、そのうち憂鬱なことや暗いことが頭の中を勝手に動き回るようになる。
それは毒を吸うようなことだから、疲れたと感じたら、考えることをやめ、休んだり寝たりするに限る。そして、また毅然として活動できるように明日に向かって備えよう。
つまり
「マイナス思考になっているときはただ疲れているだけだからさっさと寝るのが良い」
全然難しくないし、役立ちそうでしょ?
マイナス思考でぐるぐるしているときは
思い出して寝ちゃいます!
あまりに読みやすいので
ニーチェの原著を読んだことはないのだけれど、(読めない)かなり意訳されているのだろうか?訳者のとらえ方が付加されてないだろうか?とか失礼ながら、心配したこともありました。
しかし、訳をかかれた
白取春彦さんの『独学術』
を読んで、
物事を深く広がりをもってとらえる方だと知り、
余計な心配だったとわかりました。
わかりやすかったのはニーチェのその真意を十分に読み取っているがゆえなのでしょう。
この「独学術」は独学をするためのハウツー本ではありません。
そもそも独学とは何か?とか
その心持ちであったり、
独学の楽しさ、おもしろさ、美しさを自身の経験や具体例とともに語っています。
この時々挿入されるちょっとした具体例がおもしろい発見に満ちていて思わず、独学の世界へいざなわれてしまいます。
独学するとこんなことがわかるのか⁈おもしろそう!とこんな具合に。
- 作者: 白取春彦
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モンスタークレーマーが生まれる原因と対処法
マクドナルドの前で中年男性が若い店員に吠えている。
商品を間違えたようだ。
店員は正しい商品を渡してひたすら謝っている。
どうみても問題は解決しているのに
中年男性は吠え続ける。
店員の人格攻撃まではじめた。
詳しい事情は図りかねるが、
1000未満の商品を購入した客に対して、
時給1000円前後の店員が長時間謝っている。
この客にはそこまで言うほどの権利はないし、
この店員にもそこまで言われるほどの責任はない。
割に合わなさすぎ。
最終的には近くにいた別の男性が
「うるさい!」
と中年男性に怒ってお開きとなった。
そもそも
お客「様」はおかしい。
患者「様」はもっとおかしい。
give and takeの関係で
対等な関係なのだから。
現代風にわかりやすくいうと、
町人百姓が年貢を納め、代わりに政府が彼らを保護するのは政府の商売柄、当然の仕事だ。これを御恩というべきではない。
等しく恩のあるものならは、一方より礼を言って一方より礼をいわないのは理にかなっていない。
海外のお店ではスマイル一つない。
むしろ、こちらが「売ってもらっている」くらいの感覚になる。
お店側がそんなに偉そうにする必要もないけれど、平身低頭する必要もない。
平身低頭しているから、勘違いモンスタークレーマーやモンスター患者が生まれる。
親子でディスカッションはいかが?ー「こども哲学」
最近では中学受験でも
自分の考えや意見を作文で述べたり、
ディスカッション形式で発表したりすることが
求められているようです。
以前、フランスの幼稚園で哲学対話に取り組む様子を追った映画、
「ちいさな哲学者たち」という映画を観ました。
その映画ではなんと3歳から!対話を開始していました。
自由に考え、考えたことを言葉にするのに長い時間が必要でしたが、
2年後にはディスカッションらしくなってきました。
未就学児が
「自由ってなに?」とか「死ぬってどういうこと?」とかについて
自分の考えを言葉にしたり、他人の考えに耳を傾けたりしていました。
あるテーマについて考えたり、考えて言葉にするのに早すぎるということはないのだと感じました。
自分で考えたり、
他人の考えに耳を傾けたり、
他人から刺激を受けたり、
さまざまな考えがあると知ったりすることは
人生の様々な困難を前に柔軟に考え、
人生を生き抜く力につながるでしょう。
また、考えの違う他人に対して寛容な精神が育まれるでしょう。
人生の困難とはすでに小学生からあり、いじめや友人関係、親子関係、規則などが考えられます。そのときにどう考えるかというヒントになります。
さっそく子供に哲学対話をやってみようと考え、見つけたのがこの本です。
もちろん私は哲学対話なるものをやったことがないのだけれど、
この本なら、親子で読んで対話ができます。
例えば、本にある「いつも、みんなとおんなじ考え?」という質問をこどもにして、子供が答える。その後、『ほかの子の意見もみてみよう』と本にある、いくつかの意見を一緒に読んでみる。一緒に考える。
という使い方をしています。
全面カラーで楽しく読めます。
生き方、考え方を親子でゆっくり考える時間を持つのもいいかもしれない。
- 作者: オスカー・ブルニフィエ,フレデリック・ベナグリア,重松清,西宮かおり
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
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論理的思考が身につく『不思議の国のアリスの算数パズル』
”実際には読んでいないのに、読んだふりをしている本は、どんな本か?”
という調査を英BBCが昨年実施した。
1位は『不思議の国のアリス』
2位は『一九八四』ージョージ・オーウェル
ー東京新聞よりー
だそうだ。
私は『不思議の国のアリス』について
読んだふりというよりは、読んだつもりになっていた。
小学生の時家に『ふしぎの国のアリスの算数パズル』があったから。
”これが不思議の国のアリスか~作者はパズルが好きなのね。おもしろい本だ。”
と思っていた。
よく読めば表紙に『不思議の国のアリス』をもとにしてって書いてあるのだけれど。。
さてこの本、小学生の時、私のお気に入りでした。
論理的なパズルが40題近くあり、
だいたい一回で解けないから、本を何度も何度も開きました。
お気に入りの問題は、こんな感じ
道が2本にわかれていて、一方は「正直村」へ、一方は「うそつき村」に通じている。アリスは正直村にいきたいが、どちらが正直村だかわからない。分かれ道に、どちらの村人かわからないが、一人たっていた。どのように道をきけばよいか?(質問は1回きり。正直村人はいつも正直に、うそつき村人はいつも逆に、「はい」か「いいえ」のみで答える。)
小学校3年生以上くらいから楽しめます。
もちろん物語はそれ以前から楽しめます。
ふしぎの国のアリスの算数パズル (やさしい科学 (別巻1))
- 作者: 山崎直美
- 出版社/メーカー: さ・え・ら書房
- 発売日: 1983/10
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こんなゲームも楽しく論理的思考を鍛えられます↓
トランプ大統領による米入国規制へ反発
トランプ米大統領がイスラム圏7か国からの入国禁止を決めたことに対し、様々な主要企業やメディア、州、省から反発が上がっている。
内容の深刻さ、緊急性から考えて、当然の反応だろう。
けれど、アップルやグーグル、フェイスブック、ゴールドマンサックス、テスラ、ワシントン州、司法省のトップなどが、自身の処遇をかえりみることなく、規制反対の立場を明確に示す姿にアメリカの底力を感じる。
日本で同様の事態になったときに、
果たしてNO!という声が企業や省、自治体、メディアから上がるだろうか?
新藤宗幸さんの「政治をみる眼」という本によると、
『日本には権力そのものに従順な政治文化が存在する。日本の保守主義の基底にあるのは「ムラ社会」であり、それゆえの権力への同調である。明確なイデオロギー、政治信条に裏打ちされたものではない。』
とある。
今、安倍政権が支持されているのは、政策うんぬんよりその「強さ」からだろう。
強い者にまかれる・まかれろ、という日本社会では強い者へのNO!を期待するのは難しいかもしれない。
銀河鉄道の夜に心洗われる。
銀河鉄道の夜は学生の時に読んだことがあった。
文体が難しくて、なかなかすっと入ってこず、主人公たちの名前もカタカナで親しみももてず、情景を思い浮かべられなかった。読むのに苦労して、とても長い話のように感じられたの覚えている。以来、敬遠していた。
けれども、どこかでその世界観を感じとりたいという気持ちがあり、こどもに読み聞かせる形で再読した。
すると、一文が長くて決して読みやすくはなかったのだけれど、その並べられた言葉と表現の美しさに、何度も声に出して読みたくなった。言葉そのものがキラキラと透明な輝きを放っていて、読み手の心を洗い流すようだ。
しかも、ただキレイな言葉が並べられているのではなく、銀河の星座をめぐる鉄道の旅は知的でおもしろい。
言葉の芸術ってこういうのをいうんだろうな。
こどもはというと、星座好きも手伝っておもしろかったようで、読んで読んで!とせがんでいた。
全て漢字にふりがながふってあり、こども1人でも読めます。
銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)
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